スキーツアーのなかには、夜行バスを使って現地のゲレンデと集合場所との間を往復しているものがあります。このような夜行バスを用いたスキーツアーは、昼間に出発する一般的なスキーツアーにくらべて、料金が格安である特徴をもっています。電車や航空機をはじめとする通常の乗り物の場合、日中は旅客需要が多く、運行のためのコストは高くなりがちです。しかし、深夜は需要がもともと少ないため、運行会社としては、せっかく多くの車両を所有していたとしても、実際に稼働させる機会がないのが普通です。
そこで、深夜にゲレンデまで移動する日程のスキーツアーをプランニングして、移動手段として夜行バスをそこに充当すれば、低コストでの調達が可能となる仕組みです。この場合、高速道路を移動している途中では、車内の電気は消灯して、車中泊ですませることになりますが、快適性という面では多少のデメリットがあります。そこで、最近では、車両のグレードを高くして、車中泊が快適にできるようにしたものを投入したり、現地にはやめに到着できる日程を組んで、実際にスキーを楽しむ前に、現地にあるホテルを休憩利用して仮眠がとれるようにしているものがあります。このような工夫がされているプランであれば、安眠ができずに疲労感がたまる心配がありません。
その分だけ料金的には若干高めになることがありますが、もともと夜行バスの料金そのものが廉価なだけに、大きな負担にはなりません。